遺産分割調停への出席・欠席


日本国籍を有する人が亡くなった場合、その相続人が財産を相続することになります。
その際に、通常は相続人が自身の亡くなった人との関係性や残された財産が自宅などの場合はその配偶者が所有権を得たいという要望を元に、遺産分割協議をして財産の分配を分配していきます。
しかし、遺産分割協議がいつもうまくまとまるとは限りません。あえて説明するまでもなく、相続でトラブルが発生したということを耳にすることはよくあります。
遺産分割協議がまとまらない場合には、家庭裁判所の遺産分割の調停または審判の手続きを利用することができます。

遺産分割調停の流れ

遺産分割調停を申し立てる

相続人のうちの一人は申立書と必要書類を相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に提出します。

  • 被相続人の出生から死亡時までの戸籍謄本
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本
  • 相続人全員の住民票

申し立てに際して相続財産の確定をする必要がありますので、不動産の登記簿謄本と価格査定書(不動産会社に相談してもらってください。)、預貯金や投資信託の残高証明書(各金融機関で500円程度で発行してもらえます。)、現金、株式、動産(価格査定書)もご用意ください。

調停での話し合い

家事審判官と調停委員で構成される調停委員会が、公正中立な立場でそれぞれの相続人から言い分を聞き、具体的な解決策を提案するなどしながら、円満な解決に向けたあっせんを行うことになります。
調停委員とは、社会的経験や知識のある人、家事紛争の解決に専門的な知識を持つ人、学識経験の豊富な人などから、40歳から70歳未満の人の中から最高裁判所が任命された人です。
弁護士や医師、大学教授などの専門家の他、カウンセリングの専門家などがなっているケースが多いようです。
家事審判官は、原則として調停には同席しませんが、調停委員と頻繁に評議を行いながら調停の流れを把握しています。

話がまとまるまで、第2回、第3回・・・と期日が設定され、調停が進められことになります。
調停での提案には強制力がありませんから、調停をしても必ず話し合いがまとまるわけではありません。
調停の場で話し合ったにもかかわらず、やはり決着がつかない場合には、裁判所が遺産分割方法を決定する遺産分割審判が行われることになります。

調停で話し合いがうまくいった場合

調停で話し合いがまとまれば調停成立となり、裁判所で調停調書が作成されます。
調停調書が作成されれば、それをもとに強制的に決まった内容を実現させる強制執行も可能になります。
裁判での判決と同じような効力がありますね。

調停で話し合いがうまくいかなかった場合

話し合いがうまくいかなかった場合には、調停が不成立となり、自動的に遺産分割審判に移行します。
遺産分割審判では、裁判のように、家事審判官が資料や証拠を調べ、必要があれば当事者や関係者に事情聴取を行います。
こうした審理が行われた後、裁判所が最終的に遺産分割の方法を決定する審判を行うことになります。

遺産分割調停を欠席した場合

遺産分割調停は、上記の通り、話し合いで解決しようとするものですので、欠席するということは調停が不成立ということになりますが、ただそれだけでしかないので、なんら不利になることはありません。
しかし、遺産分割審判は 上述の通り裁判に近い形式ですので、欠席してしまうと自身の主張や証拠の提出をすることができず、あなたの主張が認められないことになりますので、注意が必要です。

遺産分割調停や遺産分割審判に出席できない場合

ご自身での出席が難しい場合、弁護士に依頼することで代理で出席してもらえます。
業としていなければ友人や家族に出席してもらうことも可能ですが、その際は事前に家庭裁判所に相談する必要があります。
一般的に、弁護士に依頼する場合着手金30万円〜50万円、成功報酬であなたが手にした金額の15%から20%が弁護士に支払うことになりますが、当サイト提携の弁護士であれば着手金無料でご依頼いただけます。
(近畿圏のみ、順次日本全国に拡大予定)

相続登記にかかる司法書士の費用


日本国籍を有する人が亡くなると所有していた財産について相続が発生します。
その中で亡くなった方が不動産を所有していた場合、その名義変更手続きをする必要があります。

1.所有していた不動産を把握しましょう

まず、亡くなった方(被相続人といいます。)が所有していた不動産を把握する必要があります。
不動産を複数所有されていた場合、毎年5月ごろに所有する不動産の所在地である市区町村の固定資産税課から送付される固定資産税の納税通知書で判断できます。
または、所有しているであろう市区町村に名寄帳で管理されているので、名寄帳の発行を請求すると良いでしょう。

2.不動産の評価額を把握する

不動産の評価額とは、各市で発行される評価証明書というものに記載されているもので、不動産の名義変更に際し、法務局に収める登録免許税の計算の基礎となります。
評価額の0.4%が登録免許税となります。

3.登記申請をする

登記申請を不動産を管轄する法務局に相続による所有権移転登記申請をし、名義変更をします。

登記申請に必要な書類

・登記申請書
・名義人となる相続人の住民票
・被相続人の除住民票または戸籍の附票(登記上の住所とこの書類で記載の住所で、変遷が繋がらない場合、物件の権利証も必要となります。)
・法定相続分とは違う割合で相続する場合、遺産分割協議書および相続人全員の印鑑証明書
・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本・除籍謄本
・相続人全員の現在の戸籍
2.で用意した印紙を貼付し、必要書類を申請書と合綴し、法務局に申請します。
同一管轄の不動産については1通の申請書で申請することができます。
簡易なものであれば、各法務局で登記相談を受け付けていますので、それに申し込むのもいいでしょう。

登記完了後、登記識別情報通知を受け取る

登記が完了すると、登記識別情報(=権利証)が発行されます。
再発行はされませんし、万が一紛失してしまった場合に、その不動産を売却するという場合に、司法書士に権利証紛失の手続き(本人確認情報作成)という手続きをしてもらうことになるので、逆に費用が高くなってしまうケースも考えられます。

上記手続を司法書士に依頼した場合

上記手続一式を司法書士に依頼した場合、遺産分割協議書の印鑑証明書取得以外は全て司法書士にしてもらえます。
登録免許税に関しては誰が申請しても同じ値段になるので、司法書士の報酬部分のみがプラスでかかります。
不動産の数にもよりますが、登録免許税で5万円から10万円かかります。
司法書士の報酬は遺産分割協議書の作成も依頼すると約5万円〜10万円くらいが一般的です。
当サイト提携の司法書士であれば全国どこであっても3万円(税別)で依頼することができます。

相続時精算課税制度のメリットとデメリット


相続時精算課税制度とは、通常の贈与であれば高い税率で課税されますが、相続時に相続税として支払うので、生前に贈与をさせてください、という生前贈与を促進するための制度です。
財産の贈与が行われた場合、その年の1月1日から12月31日までの分を翌年の3月15日のに贈与税の確定申告をする必要があります。
贈与税は「暦年課税(毎年110万円までは課税されません)=一般的なイメージの贈与税」と「相続時精算課税」の2種類があり、一定の要件に該当する場合は相続時精算課税を選択できます。
選択できる、ということは、希望する人が能動的に相続時精算課税を希望する旨を税務署に届け出る必要があります。

相続時精算課税の条件

贈与する側とされる側の関係

贈与者は60歳以上の親または祖父母、受贈者は贈与者の推定相続人である20歳以上の子または孫です。
また贈与者ごとに適用できるので、父は相続時精算課税制度を利用し、母は通常の贈与税(暦年課税)の適用を受けることが可能です。

相続時精算課税を選択した場合

1.贈与時に贈与税を納めます。
2.贈与者が亡くなった際に、相続税を計算し、この相続税と1.の贈与税との差額を計算することになります。

相続時精算課税のメリット

相続時精算課税は一定の相続関係が発生しうる関係である直系尊属と直系卑属の間での贈与に認められた特例です。

2500万円までは贈与税なしで贈与が可能

2500万円までの贈与には贈与税がかからず、2500万円を超える部分に20%の贈与税が課されます。贈与財産の種類、金額、贈与回数、年数に制限はありませんので、相続時精算課税を選択してからの通算となります。
通常の贈与であれば、一度に贈与すると多額の贈与税が発生しますが、一度に大量の贈与をすることができます。

2.収益物件の贈与なら相続税対策につながる
収益物件の贈与であれば贈与後の収益は受贈者のものとなるため、贈与者の財産(収益分)が増えないことで間接的な相続税対策になります。

3.値上がりする見込みの財産を贈与するには有利
株式や土地など常に価値が変動しているものは、どの時点の価値に課税されるでしょうか。
相続時精算課税制度の場合は、贈与時もその後の相続時に財産に含めるときも「贈与時の時価」で税金の計算をします。そのため、価値が上がりそうな資産はあらかじめ贈与し、相続時精算課税制度を利用した方が得になります。
贈与時の金額が相続時に加算されるため、将来的に値上がりが見込まれる財産の贈与であれば、値上がり分の相続税は回避できることになります。

相続時精算課税のデメリット

1.いったん相続時精算課税を選択したら変更できない

相続時精算課税を選択した場合は、それ以降のその贈与者からの贈与は暦年課税を適用できません。

2.小規模宅地等の特例が受けられない

被相続人と一緒に住んでいた土地を相続人が相続する場合は、相続税が最大80%減額となる制度があります。これを「小規模宅地等の特例」といいます。
ただし、相続時精算課税制度を利用するとこの特例が受けられなくなります。
被相続人と同居している場合、相続時精算課税は利用すべきではないでしょう。

3.贈与税の節税効果はなし

通常の贈与であれば年額110万円が非課税となりますので、例えば20年間毎年110万円ずつ贈与すれば2200万円が非課税となりますが、相続時精算課税制度を利用する場合、たとえ1万円であっても、相続時の財産の基礎となりますので、相続の非課税枠(基礎控除3000万円+相続人1人あたり600万円×相続人数)を超える場合、課税されてしまいます。

相続登記で必要となる遺産分割協議書


日本国籍を有する人が亡くなると所有していた財産について相続が発生します。
相続人が複数いる場合、相続財産を民法により定められている割合のとおり分配する方法(法定相続)と、相続人全員の協議により、それと違う分配をする方法(遺産分割協議)があります。

法定相続分

法定相続の割合は民法により次のように定められています。
配偶者がいる場合、配偶者は常に相続人となります。

相続人の中に配偶者がいる場合

1.子がいる場合、子が2分の1、配偶者が2分の1
2.子がなく、直系尊属(わかりやすくいうと、父母)がいる場合、父母合わせて3分の1、配偶者が3分の2
3.子、直系尊属がなく、兄弟姉妹がいる場合、兄弟姉妹合わせて4分の1、配偶者が4分の3

相続人の中に配偶者がいない場合

1.子がいる場合、子が相続する
2.子がなく、直系尊属がいる場合、直系尊属で相続する。
3.子、直系尊属がなく、兄弟姉妹がいる場合、兄弟姉妹で相続する。

遺産分割協議

上記の相続分は当然に得られる権利ですが、それとは違う割合で相続することも当然可能です。例えば男性が亡くなられた場合に、不動産の名義は奥さん、預貯金を奥さんと子で分配するということ一般的にあるでしょう。
その自由な分配の協議を記したものが遺産分割協議書となります。

遺産分割協議書の作り方

まず、前提条件として相続関係の確定が必要です。
あなたが相続人だとして、あなたが把握している以外に相続人がいる可能性があります。
亡くなられた方の出生からお亡くなりになるまでの戸籍を取得し、相続人の確定をしてください。
さらに、相続財産の確定が必要です。
預貯金や不動産、車や貴金属などの高価な動産、株式投資や投資信託財産など、相続人で分配する基礎となる財産を確定させましょう。

ここで文例をあげます。
記載してもらいたいのが、
被相続人のお名前、本籍地、最後の住所です。
次に第1条、第2条・・・の要領で、どの財産を誰に承継させるかを記載します。
全ての財産につき分配が終わると、最後に相続人全員で署名し、実印を押印します。
相続登記を法務局に申請する場合や、預貯金の払い戻しを金融機関に求める場合に、各相続人の実印につき印鑑証明書を添付する必要があります。
ちなみに、遺産分割協議は1通である必要はありません。不動産については不動産、預貯金については預貯金、というようにバラバラで定めてもその効力に支障はありません。

相続登記の申請方法

相続登記の申請は各不動産を管轄する法務局にする必要があります。
相続登記の申請書の書き方はこちらをご参照ください。
遺産分割協議書に不備があると、法務局から補正してくださいという電話がかかってきます。
場合によると却下という一からやり直してくださいということになるかもしれません。

遺産分割協議書および相続登記を専門家に依頼する

遺産分割協議書の作成と相続登記を専門家に頼む場合、司法書士または弁護士が専門となります。
相続登記を日常的に取り扱う弁護士の方はあまりおおくありませんので、司法書士に頼む方がスムーズでしょう。
おおよその費用ですが、相続登記について、次のものがかかります。
①登録免許税という、不動産の名義変更にかかる税金がかかります。
土地と建物1つずつであれば、4万円から12万円程度でしょう(市税事務所で把握される不動産の評価額の1000分の4が登録免許税となります。)
②司法書士に依頼する場合、その報酬額は一般的には6万円から10万円程度が多いでしょう。
当サイト提携の司法書士の場合、報酬額は3万円です。(ただし、特殊な事情がある場合、別途見積の上、手続をしてもらいます。)
すこし作成が難しい書類ですので、専門家に依頼する方がどちらかといえば一般的です。

相続放棄の手続きに関する費用

日本国籍を有する人が亡くなった場合、その人が所有していた財産は積極財産(つまり預貯金や不動産などのプラスの財産)と消極財産(借金や支払い義務などマイナスの財産)に分類され、その全ての財産が相続の対象となります。
相続とはすなわち、積極財産と消極財産全てを相続するか(単純承認)、積極財産の額を限度として、積極財産も、消極財産も相続する限定承認と、積極財産も消極財産も全て相続しないという相続放棄の3つの方法があります。
積極財産だけ引き継ぐということはできません。
この記事では相続放棄の手続きとその費用についてご案内します。
どういったときに相続放棄をするとよいでしょうか。
例えば、次のような場合が考えられます。

  • 生前にあきらかに借金がたくさんあった。
  • 生前に事業を営んでいて、あまり預貯金や主だったような財産はないにもかかわらず、借金がどれだけあるかよくわからない。

など、積極財産を相続する期待よりも、消極財産を引き継ぐ不安が大きい場合に利用するのがおすすめです。
相続放棄とは誰の関与も必要とせず、相続人のうちの一人でもすることができます。

相続放棄の手順

(1)家庭裁判所に申立をする
亡くなった方が最後に住民票を置いていた市区町村を管轄する家庭裁判所に届出をします。
管轄の裁判所は、裁判所のホームページ(http://www.courts.go.jp/saiban/kankatu/index.html)で調べることができます。
(2)申立の際に必要となるもの
1.相続放棄申述書
2.亡くなった人の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
3.亡くなった人の住民票除票または戸籍附票
4.届出をする人の戸籍謄本
5.収入印紙800円分
6.郵便切手(各家庭裁判所により金額は違いますが、1000円程度です。)

(3)申立の方法
(2)の必要書類を用意して、(1)の管轄となる家庭裁判所に提出します。
郵送でも対応してもらえますが、念のため事前に管轄の家庭裁判所にお尋ねください。
(4)家庭裁判所から「照会書」が届く(この手続きは省略されることもあります。)
間違いなく自分の意思で相続放棄をするのか、またなぜそうするのか等を回答します。
(5)家庭裁判所に相続放棄が認められる
「相続放棄申述受理通知書」という書類が、家庭裁判所から送られてきます。
他の相続人や、債権者に申述が受理されたことの証明書を要求された場合、「相続放棄申述受理証明書」を家庭裁判所で発行することが可能です。
直接家庭裁判所で、印鑑及び受理通知書、または運転免許証などの本人を確認することができるものを用意して発行を受けてください。郵送でも対応をしてもらえます。
相続放棄はいつまでもできるわけではなく、期限が定められていることに注意が必要です。すなわち、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」と定められています。(熟慮期間と言います。)
3ヶ月以内に決断することが難しい場合、熟慮期間中であれば、家庭裁判所に申し立てることでさらに3ヶ月引き延ばすことができます。

相続放棄のための費用

相続放棄をする費用としては、先に述べた収入印紙、切手代、その他戸籍等を収集するための費用が必要となります。
また、相続放棄申述書をご自身で用意するのが難しいと思う場合、専門家である弁護士や司法書士に依頼することになるでしょう。
弁護士や司法書士は自由報酬ですので、一概には言えませんが、一般的には総額で5万円〜10万円程度でしょう。
当サイト提携の久保田司法書士事務所の場合、総額で3万円です。
→久保田司法書士事務所に依頼する。